音声言語医学
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発達性dyslexiaの認知障害構造
―音韻障害単独説で日本語話者の発達性dyslexiaを説明可能なのか?―
宇野 彰春原 則子金子 真人粟屋 徳子
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2007 年 48 巻 2 号 p. 105-111

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抄録

はじめに, 発達性dyslexiaの定義, 評価と診断方法, 背景となる認知障害説, 生物学的障害仮説について概観した.次に日本語での発達性dyslexiaの認知障害構造に関して, 理論面から, および実際の症例や大規模集団における横断的研究から考察した.その結果, 英語圏で主に考えられている音韻障害仮説は日本語での発達性dyslexiaの背景となる認知障害としては必ずしも当てはまらず, 音韻障害に加えて視覚情報処理過程の障害の強い関与があることが示唆された.

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© 日本音声言語医学会
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