音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
ISSN-L : 0030-2813
標準抽象語理解力検査の小児への適用
春原 則子宇野 彰金子 真人粟屋 徳子
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 48 巻 2 号 p. 112-117

詳細
抄録

標準抽象語理解力検査 (以下SCTAW) の小児への適用について検討した.健常小中学生合計1, 477名に本検査を実施して基準値を算出した.正答数については, 小学6年生でも健常成人例と比較して有意に少なかったが, 中学生では40~60歳代の健常成人との問に有意差を認めなかった.誤反応パターンは, おおむね学年が上がるにつれて音韻的に類似した反応への誤りが減少し, 意味的に類似した反応への誤りが増加する傾向が認められた.本検査を言語の意味理解力に低下を認める特異的言語障害児6名に適用した結果, 6名はいずれも健常平均の―2SD以下の得点であった.小児における言語性意味理解障害の検出にSCTAWが有用であると考えられた.

著者関連情報
© 日本音声言語医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top