音声言語医学
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音声障害に対する内視鏡的アプローチPart1.X線ストロボスコピーによる声帯振動の解析
―声帯振動の本質 (traveling wave theory) ―
磯貝 豊
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2007 年 48 巻 2 号 p. 133-138

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抄録

X線ストロボスコピーは, 喉頭ストロボスコープのトリガー信号を外部トリガー信号として, 血管撮影用のパルスX線装置からパルスX線を曝射し, 声帯振動を観察・記録する方法であり, デジタルサブトラクションX線ストロボスコピーは, X線ストロボスコピー像から頚椎陰影などの不動陰影をデジタルサブトラクションする方法である.
前額面からのデジタルサブトラクションX線ストロボスコピーによって, 声帯振動の本質は, 声帯内側下面から上面外側に向かって連続的に移動する粘膜隆起を波頭とする進行波 (traveling wave) 現象であることが解明された.この進行波 (traveling wave) の波頭は, 閉鎖期から最大開大期にかけて, 声帯内側下面から上面外側に向かって伝播し, 閉小期から閉鎖期にかけて, 引き続き減衰しながら上面を外方に向かう波と, 逆方向の内下方に戻る波に分裂する.

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