音声言語医学
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発声時喉頭所見を基にした機能性発声障害の診断と音声治療の効果
小川 真吉田 操喜井 正士竹中 幸則杉山 視夫久保 武
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2007 年 48 巻 4 号 p. 315-321

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抄録

Koufman & Blalockの喉頭所見による分類に従って, 機能性発声障害を, 声門間隙が認められるものと声門上部圧迫が認められるものに2分し, 異なる音声治療プロトコール, および異なる評価スコアを用いて音声治療効果を検討した.プロトコールとして, 前者には (1) 咳払い, (2) 口を閉じた咳払い, (3) ハミング, (4) 開口の順で, 後者には (1) ハミング, (2) ピッチを高くして声の焦点を鼻根部に意識, (3) 開口の順で行い, 無効時にあくび一ため息法を付加した.それぞれに対し「達成度スコア」および「MTDスコア」にて評価し, ともに音声治療経過中にスコアの経時的減少が認められた.以上の結果より, ともに音声治療が有効であることが示され, 機能性音声障害に対して喉頭所見を基にした分類を行うことは意義があると考えられた.

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