日本医真菌学会雑誌
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総説
病院病理部で取り扱う深在性真菌症
木村 雅友
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2008 年 49 巻 4 号 p. 269-273

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抄録

病理組織診断は深在性真菌症の確定診断となり極めて重要である.病理組織標本観察の基本となるのはHE染色標本での組織構築変化の観察で,その後に真菌形態観察のための各種特殊染色を行う.HEやPAS染色では真菌のviabilityが低いと真菌要素の染色性が低下する.グロコット染色では真菌のviabilityに影響されず真菌要素を明瞭に染色できるが,過染色や弱染色に注意しなければならない.また組織構築の観察には適していない.フォンタナマッソン染色はクリプトコックスや黒色真菌の細胞壁メラニンを同定するのに有用であるが,アスペルギルスや接合菌も陽性となる場合がある.ファンギフローラY ® は簡単で短時間に行える真菌用蛍光染色法であるが,観察に蛍光顕微鏡が必要なことと接合菌には染まらないことが欠点である.
 真菌の属や種を組織上で同定するために免疫染色やin situ hybridization法が応用されている.免疫染色は属レベルの鑑別ができるが,各種真菌に対する抗体を用意しておける施設が限られている.in situ hybridization法では各種真菌に対する特異的プローブの作製が重要である.属特異的プローブは多くの施設で開発されているが,アスペルギルスの種特異的プローブも開発されつつある.

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© 2008 日本医真菌学会
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