抄録
免疫不全状態で生じるクリプトコックス感染症で多いのは, 造血臓器の悪性疾患での進展期であつて, 代表的なものにホジキン病がある. 免疫不全状態でのクリプトコックス感染症の発症機序については明らかにされていない. 僅かの実験成績からではクリプトコックス感染症は細胞性免疫能の低下に基づくといわれている. われわれのマウス,クリプトコックス感染症では, 免疫抑制因子の投与によつて死亡率が上昇することがみられた. 従つていわゆる免疫不全状態でのクリプトコックス感染症の増強といつても, 単に宿主の免疫不全にのみ由来するのみでなく, 種々の因子による宿主の消耗状態が関与しているといいえる.