日本医真菌学会雑誌
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アトピー性皮膚炎とMalassezia furfur M. furfurに対する接触過敏症の関与
青山 浩明田上 八朗六郷 正和
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1993 年 34 巻 4 号 p. 429-434

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抄録

アトピー性皮膚炎 (AD) の発症, 増悪にダニを始めとする環境抗原が関与することが証明されつつある. 私たちは毛嚢内の常在真菌であるMalassezia furfur (M. furfur) がADに関与していると考え, M. furfurを培養して得た菌体から作成した抗原を用いてパッチテスト, プリックテスト, リンパ球幼弱化試験を行い, AD患者のM. furfurに対する接触過敏症の有無, およびこの接触過敏症に対する即時型反応, 細胞性免疫の関与を検討した. パッチテストの結果, AD患者118名の約6割がM. furfur抗原に対し陽性反応を示したが, 健常人や他の皮膚疾患患者の対照では殆ど陰性であった. 臨床的にも反応が遅発性に出現して長時間持続することなど遅延型過敏反応の特徴を示した. ただし, AD患者の年齢, 性, 皮疹の分布, 痒疹の有無, 乳児脂漏性皮膚炎の既往, 気道アトピーの合併の有無などいずれの事項でも特に高率にM. furfurに対する接触過敏症を示すグループは見られなかった. プリックテストでは, AD患者の約6割が陽性反応を示したが, パッチテストの結果との間に関連性は見られなかった. M. furfur抗原によるリンパ球幼弱化試験ではAD患者のstimulation indexは対照より有意に高値であり, かつ, パッチテストの陽性群は陰性群より高値を示し, AD患者のM. furfurに対する接触過敏症は細胞性免疫の関与した反応であることが確かめられた. また, M. furfurの抗原性は分子量5万以上の高分子分画にあることが推察された.

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