日本医真菌学会雑誌
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急性骨髄性白血病に併発したHansenula anomalaによる真菌血症の1例
槙村 浩一村山 〓明後藤 守孝小口 淳鎌倉 正英木下 忠俊山中 正己三ッ矢 正安和田 佳代子鈴木 基文内田 勝久山口 英世
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1993 年 34 巻 4 号 p. 451-457

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抄録

急性骨髄性白血病の診断にて入院加療中であった35歳の女性患者に続発した, Hansenula anomalaに起因する真菌血症症例について報告する. 経中心静脈栄養 (IVH) 管理下にみた高度熱発時の血液およびカテーテル先端部培養から特定の酵母菌種が唯一の病原体としてくり返し分離された. この患者に対して, Fluconazole (FLCZ) 400mg/日の静脈内投与を施行したところ解熱し, 血液培養も陰性化した. しかし, 患者はその後原疾患に併発した起因菌不明 (血液培養陰性) の敗血症に由来すると考えられる播種性血管内凝固症候群 (DIC) により死亡した. 分離酵母菌株の培養形態および, 生化学的性状は, Candida pelliculosa (完全世代: H. anomala) に一致し, H. anomala特有の形態を示す子嚢胞子の形成が確認されたことから, 本菌をH. anomalaと同定した. 各種抗真菌剤に対する本菌の感受性 (最小阻止濃度; MIC) は, Amphotericin B (AMPH); 1.25μg/ml, Flucytosine (5-FC); <0.04μg/ml, Miconazole (MCZ); 1.25μg/ml, Itraconazole (ITZ); 5.00μg/ml, FLCZ; 12.5μg/mlであった.
H. anomala感染症の報告としては, 本邦で3例目のまれな症例である. しかし, IVH管理下にみられる熱発の原因となりうる日和見真菌症として, 今後注目する必要があると考えられる.

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