日本医真菌学会雑誌
Online ISSN : 1882-0476
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ISSN-L : 0916-4804
深在性真菌症における抗真菌剤併用療法
臨床の立場から
前崎 繁文河野 茂田中 研一光武 耕太郎宮崎 幸重宮崎 治子野田 哲寛朝野 和典賀来 満夫古賀 宏延原 耕平
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1994 年 35 巻 4 号 p. 365-368

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抄録

各種抗真菌剤の併用効果について,基礎的ならびに臨床的検討を行った.その結果,臨床分離カンジダ属に対する試験管内併用効果ではamphotericin B (AMPH)とfluconazole(FLCZ)の組合せにおいて相乗効果を認めた.またCryptococcus neoformansについてはflucytosine(5-FC)とFLCZ, Aspergillus fumigatusに対してはAMPHとmiconazole(MCZ)の組合せにおいて相乗効果を示す株が最も多かった.臨床的検討では抗真菌剤の単剤投与が無効であった肺クリプトコックス症3例にFLCZと5-FCの併用投与を行った結果,全例ともに優れた臨床効果を認めた.また,深在性真菌症20例にてMCZと5-FCの併用投与の臨床的効果を検討した結果,有効率は7/20例(35%),真菌学的効果は6/13例(46%)であった.副作用は10/20例(50%)に認められ,消化器症状が多く認められた.

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