37 巻 (1996) 3 号 p. 175-179
主要な日和見感染菌であるCandida albicans,緑膿菌およびMRSAのマウス感染モデルを用いて乳酸菌Enterococcus casseliflavus NF-1004株熱水処理死菌体標品(NF-1004標品)の感染予防効果について検討した.C.albicans感染モデルに対して,NF-1004標品は腹腔内投与のみならず経口投与によっても感染予防効果を示し,対照群に比して有意に生存期間を延長させた.その際,NF-1004標品投与マウスの腎臓内におけるC.albicansの生菌数は対照群に比して有意に減少していた.このNF-1004標品の効果は,感染させる前にcyclophosphamideで易感染状態にした時に強く発揮されるという特徴があった.緑膿菌およびMRSA感染モデルに対してはNF-1004標品の腹腔内投与が感染予防効果を示した.以上の結果より,日和見感染症が予想される患者に対する予防法としてNF-1004標品が使用できる可能性を指摘した.