日本医真菌学会雑誌
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アゾール系抗真菌剤Lanoconazoleの抗Candida活性に対するLysozymeの併用効果
丹生 茂丹生 徹池田 達夫安部 茂山口 英世Preethi D. Perera
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1996 年 37 巻 4 号 p. 245-249

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抄録

lysozymeとアゾール系抗真菌剤lanoconazoleのCandida albicans(以下Candida)発育阻止能に対する併用効果を検討した.Candida発育量は,サブロー培地で14時間培養したときの濁度の増加で測定し,卵白lysozymeとlanoconazoleを培養系に添加したときのCandida発育阻止能を求めた.その結果,1)8株のCandidaのうちlysozymeは,7株の発育を阻止した.それらの7株はlanoconazoleと併用すると,より強いCandidaの発育阻止を示した.そのうちの平均的な1株(TIMM1768)では,共存することによって相乗的効果が見られた.2)Candida発育に対する阻止効果は,14時間から72時間に培養時間を延長した場合にも観察された.3)lysozymeとlanoconazoleを共存させた14時間培養下でのCandida菌数は,培養開始時と変化がなかった.
これらの結果からlysozymeは,lanoconazoleのCandida発育阻止能を,相加的または相乗的に強めることが示され,その併用効果が,臨床的に局所治療効果を高める可能性を考察した.

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