日本医真菌学会雑誌
Online ISSN : 1882-0476
Print ISSN : 0916-4804
ISSN-L : 0916-4804
連続超薄切片法によるCryptococcus neoformansの微細構造の観察
望月 隆
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 39 巻 3 号 p. 123-127

詳細
抄録

連続超薄切片の透過型電子顕微鏡による観察は,立体である細胞内外の構造物の性状を理解するうえで重要な情報を提供する.今回はCryptococcus(C.)neoformansを例として連続超薄切片の作製方法,ならびに本法により得られた画像の解析方法について解説した.またC.neoformansの細胞分裂中の核やミトコンドリアの動態を連続超薄切片の観察によって検討した結果,核では嬢細胞内に伸展した核内に紡錘体が形成され,分離した染色体の一方が母細胞に戻る担子菌特有の核分裂を示すこと,ミトコンドリアではすべてのミトコンドリアが融合した巨大ミトコンドリアは形成されないことや,細胞に占めるミトコンドリアの容積は細胞分裂中ほぼ一定であることが明らかになった.

著者関連情報
© 日本医真菌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top