日本医真菌学会雑誌
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Print ISSN : 0916-4804
治療抵抗性外陰膣真菌症
久保田 武美
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1998 年 39 巻 4 号 p. 213-218

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抄録

培養によると非妊婦の約15%,妊婦の約30%は膣内にCandidaを保有する.外陰膣真菌症は外陰および膣内においてC.albicans,C.glabrataなどの真菌が検出され,かつ,かゆみ,帯下の増加などの訴えや炎症症状を示す疾患を指す.治療には抗真菌剤が用いられ,我が国では経口剤の適用はなく,膣錠,クリームなどによる局所投与法がなされてきた.初回治療により80-90%の例は臨床的・真菌学的に治癒に至るが,菌陰性となった例の7-34%(使用薬剤によって再出現率は異なる)は数週間後に膣内にCandidaが再出現し,あるものは再び発症する.これら難治性の要因としては自己腸管から膣への再感染,性感染,検出感度以下の少数の真菌の膣内残存などのほか,宿主の感染防御機構の変化,薬剤耐性などの関与が挙げられるが,未だ明確ではない.期待できる方法としてはケトコナゾールより副作用が少ないとされるフルコナゾール,イトラコナゾールの経口剤の使用がある.外国では,これら経口剤の外陰膣真菌症における治験例が多数報告されている.幸いに他の真菌性疾患とは異なり外陰膣真菌症では獲得耐性は問題になっていないようであるが,抗真菌剤の長期連用による予防投与は真菌の耐性菌の発現をきたす事実が他疾患領域で判明してきた.これらの経口剤が治療抵抗性外陰膣真菌症にいかに応用できるか検討が望まれるが,現在のところ治療抵抗性外陰膣真薗症に対する確立された対策はない.

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