日本医真菌学会雑誌
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マラセチア関連皮膚疾患における起因菌種の検討
中林 淳浩
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2002 年 43 巻 2 号 p. 65-68

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抄録

綴風脂漏性皮膚炎および乳児脂漏性皮膚炎患者から分離a培養されたマラセチアの菌種を各種Tweenの資化性等により同定した, 綴風からの分離菌種はMalasseziagl・b・saが最も多く (55%), 本症の起因菌種であると考えられた.成人および乳児脂漏性皮膚炎患者ではaルf.globosaとM.fur, furが健常人コントロールより高率に分離されたことより, 脂漏性皮膚炎, 乳児脂漏性皮膚炎の起因菌種であると考えられた.
さらに、綴風についてはITS-1塩基配列を用いたPCR法による菌種の同定を試みた。病変部から採取した鱗屑を鋳型として同定したところ, M.glob・saが38人中37人 (97%) と最も高率に検出された, ついでM.restricta (79%), M.sympodialis (68%) などが検出された.なお, 同一検 : 体から複数の菌種が検出された.

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