日本医真菌学会雑誌
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テルビナフィン250mg/日7日間の間歇投与による足白癬の治療
浜口 太造滝内 石夫
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2002 年 43 巻 2 号 p. 79-83

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抄録

小水庖型と趾問型の足白癬に対し, テルビナフィン250mg/日7日間内服を1クールとし, 初回観察後1クール投与し, 4週毎に観察し改善が見られない場合, さらに1クールの投与を追加する治療を試み, あわせて再発率を調査した.
結果 : 小水庖型75例中脱落除外8例, 治癒66例 (評価可能症例中98.5%), 無効1例.趾間型49例中3例脱落 :, 治癒43例 (同93.5%), 無効3例.治癒した症例についての投与回数は, 小水庖型で1クール50例, 2クール16例, 趾間型では1クール38例, 2クール5例であり, いずれも3クール以上を要した例はなかった.再発は小水庖型で1年目4/51例 (8%), 2年目4/25例, 3年目2/9例.趾間型はそれぞれ4/13例 (13%), 0/14例, 0/6例であった.
本治療法は短期間で終了し, 有効率が高く, 再発率の低い治療であった.短期間で治療可能なため, コンプライアンスの向上と, 副作用の軽減が望めるが, テルビナフィンの内服は, 白癬以外の真菌に効果が弱いため, 診断を確定させることがきわめて重要で, 少なくともKOH直接検 : 鏡による診断は必須で, できる限り培養による診断も併用すべきものと考える.再発予防のためには生活指導も必要である.

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