日本医真菌学会雑誌
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実験的顆粒球減少マウスモデルにおける担子菌標品AHCCのCandida albicans感染予防効果
池田 達夫石橋 弘子丹生 茂藤崎 竜一山崎 正利若命 浩二小砂 憲一山口 英世斧 康雄安部 茂
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2003 年 44 巻 2 号 p. 127-131

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抄録

本研究ではcyclophosphamide(CY),5-fluorouracil (5-FU),doxorubicin(DXR)またはprednisolone(PS)の前処置によって免疫抑制状態にしたマウスにactive hexose correlated compounds (AHCC)を腹腔内前投与した場合のCandida albicans感染に対する感染防御効果について検討した.CYまたは5-FU処置群におけるAHCCの腹腔内前投与はC.albicans感染に対する防御効果を示した.またDXR処置群においてもAHCCはC.albicans感染に対する防御能をわずかに亢進したが,PS処置群においてはAHCC投与による防御能亢進はみられなかった,つぎに5-FU処置群で,AHCCの経口投与による感染予防効果とその機序について調べた.AHCCの2.5%経口投与群は非投与群にくらべて有意な感染防御能亢進を示した(p<0.05).AHCC経口投与群の末梢血中の好中球数は非投与群と比較して有意な高値(p<0.05)を示し,腎内C.albicans生菌数においてもAHCC経口投与群で減少がみとめられた(p<0.01).以上の成績から,制癌剤によって好中球が減少した宿主でAHCCは感染防御能を亢進することが示され,その機序として好中球の機能亢進が示唆された.

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