日本医真菌学会雑誌
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植物精油,とくにレモングラス精油および構成テルペノイドcitralの抗Candida albicans作用
安部 茂佐藤 祐一井上 重治石橋 弘子丸山 奈保滝沢 登志雄大島 治之山口 英世
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2003 年 44 巻 4 号 p. 285-291

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抄録

アロマテラピーとして経験的に利用され,真菌症に効果があるといわれる植物精油12種について,牛胎児血清を含む培地でのCandida albicansの発育形態に及ぼす作用を調べた.C.albicansをRPMI1640培地で3時間培養して,germ tubeを形成させた後,様々な濃度の精油を添加して,更に16時間培養し,発育菌糸量をクリスタル紫染色法にて測定した.その結果,100μg/mlの濃度で加えた場合には,レモングラス(Lemongrass),タイム(Thyme),パチュリ(Patchouli),シダーウッド(Cedarwood)の各精油が明確な菌糸形発育抑制作用を示した.レモングラス精油の主要構成物質であるcitralは,25~100μg/mlの濃度で菌糸形発育を阻止し,200μg/ml以上では菌糸形発育のみならず,酵母形発育に対しても抑制的に作用した.これらの結果は,C.albicansの発育,とくに菌糸形発育を強く阻止する作用をもつレモングラス精油,もしくはcitralが表在性カンジダ症の局所療法に有用である可能性を示すものである.

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