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超音波医学
Vol. 37 (2010) No. 3 P 265-271

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http://doi.org/10.3179/jjmu.37.265

特集「経頭蓋超音波検査の現状と今後の展望」

急性期脳梗塞症例では,経頭蓋超音波ドプラ法(transcranial Doppler: TCD)は主に微小栓子シグナルの評価に有用で,脳梗塞の病態評価や奇異性脳塞栓症診断,及び抗血栓薬の効果の評価に用いられている.経頭蓋カラードプラ法(transcranial color-coded sonography: TCCS)は,主に主幹脳動脈の狭窄・閉塞性病変評価,側副血行の評価に用いられている.TCD/TCCSは非侵襲的検査であり,ベッドサイドで繰り返し簡便に施行出来る.急性期脳梗塞のtherapeutic time window(3‐6時間)に血管の閉塞・開通状態をモニター出来る手段はTCD/TCCSのみである.最近,アルテプラーゼ(rt-PA)静注療法による超急性期血栓溶解療法時にTCDやTCCSを併用することで閉塞血管の再開通率が改善することが報告されsonothrombolysisとして注目されている.rt-PA療法にTCDモニターと超音波造影剤(Levovist®)を併用すると再開通率がさらに向上することも示唆されている.古幡らは,500 kHzの低周波経頭蓋超音波血栓溶解法の安全性と有効性を前臨床で確認し,その治療ユニットとすでに臨床応用されているTCCS診断ユニットを組み合わせた一体型の新規装置を開発中である.近い将来に,本療法が急性期脳梗塞のさらに有用な治療手段となる可能性がある.

Copyright © 2010 一般社団法人 日本超音波医学会

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