超音波医学
原著
Heart failure with preserved ejection fractionにおける左室内腔形態と予後との関連についての検討
江口 明世中坊 亜由美合田 亜希子正木 充大塚 美里吉田 千佳子廣谷 信一川端 正明辻野 健増山 理
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38 巻 (2011) 2 号 p. 103-110

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抄録

目的:収縮不全心では心機能の悪化に伴い左室内腔形態は細長から球形へと変化する.一方,拡張不全心(heart failure with preserved EF: HFPEF)における左室内腔形態については明らかではない.HFPEFにおける左室内腔形態と予後との関連について明らかにすることを目的とした.対象と方法:急性心不全にて入院となり軽快退院したHFPEF 患者(左室駆出率≧50%)52人(男性29名,平均72±10歳)を対象とした.心エコー検査にて心尖部四腔像における左室長径を短径で除した値(sphericity index: SI)を算出し,左室内腔形態の指標とした.総死亡とうっ血性心不全による再入院をエンドポイントとして予後を検討した.結果と考察:平均690日の観察期間の間に14人にエンドポイントを認めた.Kaplan-Meier曲線では球形群(SI≦1.7)が楕円群(SI>1.7)より死亡・心不全による再入院が多く予後不良であった(log-rank, p<0.05)多変量ロジスティック回帰解析では,SI≦1.7が唯一の予後規定因子であった.結論:HFPEFにおいても左室内腔形態が球形に近いほど予後不良であり,左室内腔形態により予後を予測出来る可能性が示唆された.

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© 2011 一般社団法人 日本超音波医学会
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