超音波医学
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総説
腎泌尿器疾患の超音波診断‐腎細胞癌の超音波像‐
三原 修一小山 大樹田中 信次木場 博幸大竹 宏治
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2013 年 40 巻 3 号 p. 267-272

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抄録

腹部超音波検診で発見された腎細胞癌(RCC)311例の超音波像を解析した.RCCを疑う所見として,(1)内部エコー輝度の低い高エコー腫瘤,(2)等~低エコー腫瘤,(3)内部エコー不均一(モザイク状)な腫瘤,(4)辺縁低エコー帯(35.9%),腫瘤内嚢胞エコー(72.4%),腎表面からの突出(90.4%),(5)腫瘤内および辺縁の著明な血流エコー,(6)経過観察にて増大する腫瘤,(7)嚢胞タイプでは,嚢胞壁や隔壁の肥厚,腫瘤内部の充実エコー,および肥厚した嚢胞壁・隔壁,充実部分の血流エコーが重要である.血管筋脂肪腫(AML)は,内部エコー輝度の高い高エコー腫瘤として描出され,RCCとの鑑別にはCT検査が有用である(脂肪成分なし:RCC,あり:AML).今後,腹部超音波スクリーニングの普及により,さらに多くの早期RCCが発見されることを期待したい.

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© 2013 一般社団法人 日本超音波医学会
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