超音波医学
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特集「肝臓の組織進展度診断:エラストグラフィ up-to date」
急性肝炎におけるVirtual touch quantificationの臨床的意義
黒田 英克柿坂 啓介及川 隆喜小野寺 美緒滝川 康裕
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2014 年 42 巻 4 号 p. 505-516

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抄録

急性肝炎において肝硬度が上昇するという報告が散見される.肝細胞壊死と炎症に起因すると推測されるが,未だ不明瞭な点も多いのが現状である.本稿では,急性肝炎におけるVTQ(virtual touch quantification)を用いた肝の剪断弾性波伝播速度(velocity of shear wave: Vs)測定の有用性を検討するとともに,肝硬度と病理所見との対比を中心に基礎的検討を行ったので報告する.急性肝疾患51例の入院時Vsの平均値±標準偏差は,急性肝炎:2.03 ± 0.55 m/s,急性肝炎重症型:2.54 ± 0.56 m/s,劇症肝炎:3.65 ± 0.86 m/sで,重症度に伴い有意に高値を示した(p < 0.001).劇症化予知に関するVTQのAUCは0.893で,cut off値を3.14 m/sとすると感度80.0%,特異度93.5%であった.生存例ではVsの有意な経時的低下を認めた(p = 0.003).D-galactosamine投与ラット肝障害モデルを用い,肝硬度と炎症や壊死の程度とを比較すると,肝障害度別のVsは,G0: 1.07 ± 0.05 m/s,G1: 1.27 ± 0.09 m/s,G2: 1.54 ± 0.23 m/s,G3: 1.99 ± 0.16 m/sで,病理変化に伴いVsの有意な上昇を認めた(p < 0.01).急性肝炎では肝細胞壊死と炎症の影響でVsが上昇する.Vsは重症度や病態を反映する予後予測指標で,経時的計測からより正確に予後推定が可能であり,移植適応判定にも応用できる可能性が示唆された.

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© 2014 一般社団法人 日本超音波医学会
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