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超音波医学
Vol. 43 (2016) No. 2 p. 265-277

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http://doi.org/10.3179/jjmu.JJMU.A.47

原著

目的:二つの異なる周波数の超音波ビームを交差させ,交差領域の造影剤の非線形振動により発生する和音もしくは差音の周波数成分を用いて血流の速度を測定する二ビーム交差型コントラストエコー法(CBCE法)を考案した.本手法は,造影エコーと組織エコーの比を改善できるため,MTIフィルタ等のハイパスフィルタを用いることなく,血流速度を測定することができる.本論文では,血流模擬ファントムと造影剤を用いて実験的な検討を行い,基本波,高調波と比較して和音を用いる利点を明らかにする.対象と方法:10 mm/s程度の低流速の定常流を実現できるフローシステムを構築し,CBCE法を用いて流速測定を行った.造影剤としてソナゾイド®を用いた.エコー信号に設定するレンジゲートの幅を変化させながら造影エコーと組織エコーの比率を変化させ,基本波成分,第二高調波成分および和音成分のドプラ周波数から算出した流速値を比較した.結果と考察:レンジゲート中に組織エコーが含まれる場合において,和音成分の組織エコー対造影エコー比が基本波,高調波に比べて大きいことを確認した.他の周波数成分を用いた結果と比較して,和音のドプラ周波数を用いた計測値の傾向が参照値とよい一致を示すことを確認し,レンジゲート中に組織エコーが含まれる場合でも血流を測定できる可能性を示した.結論:CBCE法における和音成分のドプラ周波数から造影エコー対組織エコー比が改善されることを明らかにした.

Copyright © 2015 一般社団法人 日本超音波医学会

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