2016 年 43 巻 2 号 p. 255-263
本論文では,光学的手法を用いて医用超音波の音場を可視化する3つの手法について述べる.1つは光源とカメラのみからなる単純な光学系で可視化を実現するシャドーグラフ法である.本手法で取得した音場可視化像を従来のシュリーレン法と比較するとともに,超音波診断用の短いパルス超音波の音場可視化における有用性を示す.続く2つの手法は,ハイドロホンによる音場測定の置き換えを目指して開発した定量化シャドーグラフ法と位相コントラスト法である.各手法の原理を解説するとともに,超音波治療に用いられる連続超音波の集束音場を可視化する実験を行い,ハイドロホン計測との比較を通じて3次元音場の精密計測における有用性を示す.