2016 年 43 巻 6 号 p. 729-732
大動脈四尖弁は非常に稀な先天性心疾患である.我々は中等度から高度の大動脈弁閉鎖不全を有する4例の大動脈四尖弁を経験した.これらすべての症例は心エコー検査で偶然発見されたものであり,弁不全に関連した症状はなかった.弁の形態としては,小さな余剰弁尖を有する例が4例中3例,残り1例は4尖とも同サイズであった.大動脈4尖弁にはいくつかの形態的分類があるが,形態による予後の差は明らかにされてない.しかし4尖弁の余剰尖の位置情報は外科的治療の方針に影響を与えることから,心エコー図による詳細な評価は重要である.