超音波医学
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周術期における血管エコーの果たす役割
腹部大動脈ステントグラフト内挿術後の超音波による評価
小谷 敦志佐賀 俊彦
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2017 年 44 巻 4 号 p. 365-373

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抄録

腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術(endovascular abdominal aortic aneurysm repair;EVAR)は,我が国を含め欧米でも広く普及している治療法で,開腹手術で行う人工血管置換術に比べ低侵襲のため高齢者や重要臓器の合併症を有する症例で有効性が高い.ただ,術後は生涯にわたって定期的に造影CTあるいは超音波で経過を観察する必要がある.造影剤の使用を躊躇するような腎機能の低下した症例では,造影CTよりもエコーによる評価の方が有用性は高い.画像診断における術後評価は,瘤径の拡大の有無や種々の合併症の観察を行う.合併症の中で最も多いとされるエンドリークの評価は予後を決める上で重要である.EVAR治療後に瘤径が拡大するものや,エンドリークtypeIとtypeIIIは追加治療の対照となる.今回,EVAR後の超音波評価の実際を述べる.

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© 2017 一般社団法人 日本超音波医学会
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