2019 年 46 巻 5 号 p. 461-465
目的:スマートフォン型超音波装置が膀胱容量の計測に有用かを検討した.対象と方法:泌尿器領域の超音波検査依頼のうち,同意の得られた44症例を対象とした.1名の超音波検査士がスマートフォン型超音波装置にて膀胱の横径,上下径,前後径を計測した.次にその結果を受けずに他の超音波検査士が高性能超音波装置で同様に計測した.膀胱容量は(横径×上下径×前後径)×0.52の式にて算出した.結果と考察:スマートフォン型超音波装置と高性能超音波装置で計測した膀胱容量は相関係数R=0.851で高い相関が得られた.しかし狭い視野角のため,膀胱全体が描出不能例では高性能超音波装置との間で計測値に乖離が見られた.結論:スマートフォン型超音波装置は膀胱容量計測において高性能超音波装置に準じた精度がある.在宅医療等での排尿ケア等,院外での医療現場で活用が期待される.