超音波医学
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原著
頸静脈の超高速超音波血流イメージングにおけるコントラスト解析
大村 眞朗八木 邦公長岡 亮長谷川 英之
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2025 年 52 巻 2 号 p. 65-76

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抄録

目的:せん断速度に依存したヘモレオロジー特性が血流のコントラストに関係することを実証するために,ブタ血液を用いたin vitro実験およびヒト頸静脈のin vivo測定における血流像を解析した.方法:生理食塩水または血漿に懸濁した血液検体(45%ヘマトクリット)の粘弾性の差を比較検討した.グラファイト‐寒天ファントム内でせん断速度が異なる定常流を制御し,超音波中心周波数7.5 MHzでの超高速平面波イメージングを実施した.また,若年健康被験者および糖尿病患者を対象としてin vivo測定を実施した.ビームフォーミング後超音波RFデータの時空間マトリクスを特異値分解(singular value decomposition: SVD)クラッタフィルタに使用した.コントラストを評価するために,クラッタフィルタ処理後Bモード画像を拡張期の最初のフレームで標準化した振幅包絡を求めた.また,流路辺縁部のせん断速度を流速分布の速度勾配から推定した.結果:非凝集赤血球は高せん断速度では低エコー輝度を呈したが,血漿検体全体のエコー輝度は低せん断速度では赤血球凝集によって上昇した.また,血流像から得られたコントラストマップについて,標準偏差の2倍を超える成分と定義した高輝度エコーの検出頻度は,高せん断速度下のブタ血液で高く,糖尿病患者と比較して健康被験者の静脈血で高くなった.結論:SVDベースのクラッタフィルタを用いた超高速平面波イメージングによって,ヘモレオロジー特性がせん断速度および糖尿病の有無に依存する可能性が示された.

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