超音波医学
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先天性心疾患‐実臨床に役立つリアルタイム3次元心エコー
瀧聞 浄宏
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: JJMU.R.17

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抄録
実臨床の場において,先天性心疾患に対し,リアルタイム3次元心エコーをどのように使うか.最も有効な活用方法の1つは,複雑な心内形態を3次元表示し,それに基づいて修復術のプランニングとガイドを行うことである.例えば,両大血管右室起始症における心室中隔欠損を用いた心内ルート作成,複雑な房室弁閉鎖不全の形成,心内狭窄病変の解除などである.また,カテーテル治療の適応判断や治療中のモニタリングにも有効である(日本ではまだ心房中隔欠損の経皮的閉鎖だが,欧米では心室中隔欠損にも使用されている).さらに,経食道の使用できない小児において,心内表示の最も優れたアプローチ法は経心膜であり,直接3次元探触子を当ててvolume dataを収集することでSN比,解像度ともに良質な画像を得ることができる.Surgen’s veiwで内科医と外科医が共通の視点から,手術場で対話することができ,利用価値は高い.近年,胎児心臓超音波検査でも心臓の動きから同期をかけて3次元を再構築し,心臓病のスクリーニングをするというspatiotemporal image correlation(STIC)といわれる心エコー法も臨床応用されてきている.今後は,心機能や弁機能に関する3次元解析が先天性心疾患の分野でも進み,定量評価の結果が疾患のモービリティーやモータリティーの予測および改善に貢献していくことが望まれる.
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© 2014 一般社団法人 日本超音波医学会
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