日本看護倫理学会誌
Online ISSN : 2434-7361
短報
特定行為研修における倫理教育の実態
中釜 英里佳宿利 優子小野 美喜
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 16 巻 1 号 p. 48-55

詳細
抄録

特定行為研修における倫理教育の実態を明らかにすることを目的とした。研修実施者442名を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。研究対象者51名の所属研修機関は、病院が多く、大学院はなかった。倫理教育実施者は、看護実践者の次に医師が多かった。研修機関において、「看護倫理」科目名はほとんど立てられず、厚生労働省が提示する「医療安全」や「特定行為実践」科目とし倫理教育が行われていた。倫理教育内容に関して、研修実施者は指定外の内容も「教えている」という認識をもち、倫理教育の必要性を感じていた。倫理教育方法はEラーニングが多かったが、「多職種協働とコミュニケーション」など、事例検討やテーマディスカッションで実施している内容もみられた。研修実施者は、受講者の倫理教育のレディネスの差を感じていた。教育内容ごとに様々な教育方法を検討し、限りある人的資源を活用して倫理教育を行っていることが示唆された。

著者関連情報
© 2024 日本看護倫理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top