日本看護倫理学会誌
Online ISSN : 2434-7361
原著
看護学生を対象にした質問紙調査を行う際の倫理的配慮に関する実態調査―看護教員の倫理的配慮に関する認識と実践―
石岡 洋子平野 亙小野 美喜
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2013 年 5 巻 1 号 p. 12-21

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抄録

看護学領域では、教員が学生を対象とした研究が多く、インフォームドコンセントのプロセス等に関する様々な倫理的問題が指摘されている。看護学生に調査研究を行なう際の看護教員の倫理的配慮についての認識と実践を明らかにする目的で実態調査を実施した。看護系大学に勤務する看護領域を専門とする教員を対象とし、倫理的配慮に関する認識と実践について郵送質問紙調査を実施した(有効回答324部、有効回答率35.6%)。その結果、倫理的配慮への意識は、学生の自由意思の尊重を重視する教員が多かった。しかし、倫理的配慮の実際では、倫理的配慮が十分に行えていないという結果であった。また、質問紙の回収方法と回収時期に関しては、FD研修を受講している群の方が、倫理的配慮が行えており、有意差が認められた(p<0.05)。FD研修の受講は、教員の倫理的行動へと影響することが考えられ、効果的なFD研修の在り方を検討する必要があることが示唆された。

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© 2013 日本看護倫理学会
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