抄録
本ケースレポートは、プライマリ医療の臨床現場で活動する特定看護師の実践について、日常的な活動における代表的な1症例を通して、1)観察、判断および実践、2)看護の実際を報告し、特定看護師の具体的な実践を明らかにすることを目的とする。症例は60代の女性、II型糖尿病、急激な血糖値の悪化、左下腿の熱感、腫脹、発赤にて受診した。特定看護師は症例に対し鑑別疾患をあげ検討した。検査より蜂窩織炎が確定し、急激な血糖値の悪化についてはI型糖尿病が新たに判明した。特定看護師は心理的なショックを受けた患者に理論的なアセスメントをもとに看護チームと協働した援助を行い、効果的な支援に繋げた。臨床現場において、特定看護師は、看護と医学の視点を通して判断し、多職種と連携・協働しながら患者とその家族にとって効果のある独自のアプローチを創る。今後、さらに特定看護師が医療現場において広く貢献できることが期待される。