抄録
厚生労働省は医療依存度が高い児が地域で生活できる政策を提言した。その結果、訪問看護を受ける小児は年々増加している。本研究の目的は大分県内の在宅療養児の訪問看護の実態を明らかにし、課題を検討することである。大分県内の小児の訪問看護を実施している訪問看護ステーションの管理者を対象に質問紙調査を実施した。62人の小児が訪問看護を利用していた。実施されている医療的ケアは経管栄養・胃瘻64.5%、気管内吸引58.1%であった。看護ケアは全身状態の管理が100%の施設で行われていた。レスパイトケアの割合は55.6%、受診同行の割合は27.8%であり、実施率は低かった。大分県では約2割の施設が小児の訪問看護を実施していた。サービス可能な施設を増加させることと、サービスの地域差をなくすことが必要である。レスパイトケアや受診同行の支援が今後の課題である。