2006 年 6 巻 2 号 p. 27-32
1週間の訪問看護ステーション実習において、学生は1 人の療養者に平均2.8 回訪問をし、対象は主に循環器系疾患の療養者や高齢者であった。70% 以上の学生が経験した看護技術は、バイタルサインの観察、オムツ交換、体位変換、清拭といった療養上の世話に関する看護技術と褥創ケア、関節可動域訓練といった診療の補助に関する看護技術であった。学生が経験した看護技術の中で、実習に出るまでに習得度が低いものは、褥創ケア、摘便、胃ろう・腸ろうの管理の看護技術であった。学内演習で習得していた看護技術であっても、実習場面では学生1 人で実施する機会は少なかった。手順を覚えただけでは在宅場面で実際に援助することが難しい可能性が考えられる。在宅で看護する場合には、対象者の個別性やその場に合わせて援助する観点をもたせるよう今後もさらに指導を深めることが必要である。