抄録
外来看護師を対象にした質的帰納的研究により痛みのアセスメント過程を4段階に分析し、その結果に基づき試作した「急性の痛みの記録用紙」を61例の患者に試用し、試用結果をもとにして外来看護の記録用紙を完成させた。試作した記録用紙に関する改善点等の意見を質問紙およびインタビューにて把握した。本論文では、試作した記録用紙の試用の結果と試作記録用紙の主な改善点について報告する。試用した看護師の80%以上が試作した記録用紙は使いやすいと回答した。また、記録用紙の試用により、看護記録の必要性、看護師独自の判断の必要性、継続看護および看護記録による情報の共有化の必要性などを認識したと回答し、看護師自身の意識に変革がみられた。記録用紙を用いることにより、急性の痛みを平均6分で的確にアセスメントすることができ、継続看護および情報の共有化のための看護記録としても有用であることが示唆された。記録用紙の順序に従いアセスメントすることで、短時間で痛みの的確な判断や疾患の予測もできることが明らかとなった。