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日本鳥学会誌
Vol. 60 (2011) No. 1 P 19-34

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http://doi.org/10.3838/jjo.60.19

原著論文

日本の森林性鳥類の現状を明らかにするために2004年12月から2008年2月にかけて日本全国の253地点で行われた環境省のモニタリングサイト1000のデータをとりまとめた.種数,生息個体数,バイオマスと潜在植生との関係をみると,繁殖期の種数は落葉広葉樹林帯をピークとしてそれより南方も北方も少なくなっていたが,それ以外の変数は南方ほど高い傾向があった.また,寒冷な地域ほど夏鳥が多い傾向があり,温暖な地域ほど冬鳥が多い傾向が認められた.繁殖期は昆虫食の鳥の占める割合が寒冷な地域ほど高く,空中採食やとびつき採食する鳥の割合は温暖な地方ほど高い傾向が認められた.越冬期は寒冷な地方ほど地上で採食する鳥の割合が低く,樹幹を利用する鳥の割合が高かった.全国の鳥類相をクラスター分析により区分すると,繁殖期は4つに,越冬期は3つに区分され,その区分は潜在植生帯により説明できた.それらの区分を説明付ける種として,寒冷な森林に生息するヒガラParus ater,コガラParus montanus,ゴジュウカラSitta europaea,温暖な森林に生息するヒヨドリHypsipetes amaurotis,ヤマガラParus varius,メジロZosterops japonicus,などが挙げられ,今後,気候変動等による生態系の変化をモニタリングする上での注目種に成りうると考えられた.

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