日本鳥学会誌
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短報
東アジアにおけるアマサギ2個体を対象とした長距離移動の衛星追跡
藤田 剛土方 直哉内田 聖平岡 恵美子徳永 幸彦植田 睦之高木 憲太郎時田 賢一樋口 広芳
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2017 年 66 巻 2 号 p. 163-168

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抄録

アマサギは人に運ばれることなく急速に分布拡大した例とされるが,分散や渡りなど長距離移動には不明な点が多い.筆者らは,茨城県で捕獲されたアマサギ2羽の長距離移動を,太陽電池式の人工衛星用送信器を使って追跡した.2羽とも,捕獲した2006年の秋にフィリピン中部へ移動して越冬したが,その内1羽が翌春に中国揚子江河口周辺へ移動し,繁殖期のあいだそこに滞在した.そこは,前年繁殖地とした可能性の高い茨城県から1,900 km西に位置する.この結果は,東アジアに生息するアマサギにおいて長距離の繁殖分散を確認した初めての例である.

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© 2017 日本鳥学会
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