カイツブリTachybaptus ruficollisの質量,標準代謝速度,一回換気量,分時換気量,強制対流熱伝達損失ならびに浮力と流動抵抗に関する損失を基にして,カイツブリの水面滞在時間Tp,潜水時間Tdおよび最大潜水時間Tdmaxに対する簡便な予測法を提案した.カイツブリの質量の関数として求めた予測式は本研究で観察したTp,Td,およびTdmaxの値をそれぞれ15.6%,-7.2%,3.7%の偏差で近似することができた.また,ノドグロカイツブリT. novaehollandiae,シラガカイツブリPoliocephalus poliocephalus,ハジロカイツブリPodiceps nigricollisのTp,Tdについてもカイツブリと同程度の予測精度が得られた.Tdmaxの予測式は回帰分析によって得られた既存の式にほぼ一致することが分かった.