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三重県佐波留島におけるアオサギの繁殖について
倉田 篤樋口 行雄
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1972 年 21 巻 91-92 号 p. 308-315

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抄録

1.三重県尾鷲市の佐波留島におけるアオサギ Ardea cinerea の繁殖状況に関する調査報告である。
2.繁殖地は尾鷲湾口の無人島であり,コロニーの植生はスダジイを主とする常緑広葉樹林である。
3.繁殖個体数は,700~800羽である。
4.繁殖期は他のサギ類より早く,2月から7月上旬にかけてである。
5.巣は樹冠近くに営なまれる傾向があり,特に樹高の80%前後に多い。また,営巣場所と繁殖期の関係から,ゴイサギとの間にすみわけが認められた。
6.一腹の卵数は2~5卵,平均3.8卵であった。抱卵は雌雄交代で行なう。
7.繁殖期の行動圏は沿岸地域を主として,コロニーから半径5~10kmの地域であり,繁殖が進行するにつれて拡大する傾向がある。

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