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鳥類の胸椎数と Notarium の存否について
鮫島 正道大塚 閏一
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1984 年 33 巻 1 号 p. 29-38

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抄録

18目42科105属147種(亜種を含む)353個体の日本産および外国産の成鳥と推定した鳥類の晒骨標本を作成し,胸椎について胸椎数とnotariumの形成様式を検索した.
(1)胸椎は6-12個と変異に富んでいた.椎骨数は同一科内,同一種内でも変異が大きかった.
(2)Notariumは9目12科42種103個体の鳥類に存在した.
(3)Notarium の存否,それを形成する胸椎の数や位置,胸椎の synsacrum への参加数は胸椎数と同様に同一科内,同一種内においても変異が大きかった.
(4)Notarium は飛翔力の弱いキジ目の全種に存在する一方ゴハト科,ハヤブサ科,ツル科そしてフラミンゴ科などにも存在するので notarium の存否を飛翔と短絡的に関係づけることはできないと推察された.

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