日本鳥学会誌
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北海道中部におけるクマゲラの営巣環境と営巣木の性質
磯 清志藤巻 裕蔵
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1990 年 38 巻 4 号 p. 157-165

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抄録

1)北海道中央部の層雲峡とその周辺地域(標高360-950m)で,1989年にクマゲラの営巣木の性質と営巣環境を,1984-1986年に繁殖状況を調査した.
2)営巣木は,ケヤマハンノキ,ドロノキ,シナノキなど全て落葉広葉樹で,そのうち60%は枯木であった.胸高直径は72-105cmで,樹高は24-27m,先端部が折れている場合には10-12mであった.
3)営巣木の樹幹が巣穴に傾いている場合が多かった.
4)営巣木当たりの巣穴数は1-5個であった.地上からの巣穴までの高さは,5-18mで,7-9mに多かった.
5)営巣木は落葉広葉樹林,針広混交林にあり,営巣木周辺の生立木の密度は450-2,150本/ha,基底面積は18.99-58.01m2/haであった.
6)幼鳥の巣立は6月下旬-7月上旬であった.

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