ヤマドリ属とキジ属の分類は定かではなく,1つの属とする説と分離独立させるとする2つの説があり,いまだ論争が続いている.ヤマドリ属(genus Syrmaticus)の分類学的位置づけを確定するため,キジ属(genus Phasianus)および両属に近いとされるコシアカキジ属(genus Lophura),カンムリキジ属(genus Catreus)の類縁関係について Cyt-b 遺伝子配列の比較から検討をおこなった.
1)ヤマドリと2)オナガキジと3)カラヤマドリ•ビルマカラヤマドリ•ミカドキジと4)ウチワキジ•エボシキジ•ニホンキジがそれぞれクラスターを形成した.分類学的位置づけが論議されているエボシキジ(Cheer Pheasant)はニホンキジ(Green Pheasant)のクラスターに含まれ,ヤマドリ属(genus Syrmaticus)よりもむしろキジ属(genus Phasianus)に近かった.