抄録
本稿の目的は、行政ベンチマーキングにおける行政部門内外の評価主体が依拠する理論的枠組を解きほぐしながら行政ベンチマーキングの現実機能について検討することにある。
検討の結果、複数の理論的枠組が導出する評価主体の評価性向から行政部門評価では促進的もしくは調整的役割を果たす協働が有意的行為であることを明らかにし、同時に行政部門の長たる首長のオーナーシップが協働の内実化を妨げる評価実施上の脅威の源であることを確認した。その上で行政ベンチマーキングが当該脅威を低減させ、自らの現実機能に資するための実務的示唆について論及した。