2013 年 12 巻 3 号 p. 3_15-3_25
東日本大震災からの復興に向けて、被災自治体では災害廃棄物の処理が喫緊の課題となっており、国は、被災地以外の自治体がこれを受け入れる「広域処理」を進めているが、受入自治体側の住民の反対が強く、はかどっていない。本稿では、災害廃棄物の広域処理がいかなる法運用及び制度設計のもとで実施されているかを明らかにするとともに、プログラム・セオリーの評価を通して、この政策の課題の析出を試みた。次いで、前段で明確にされた課題について、リスク・コミュニケーション論の知見に基づきながらその処方を検討した。