日本評価研究
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特集:実践が導く評価の可能性:事例と経験の共有
三重県内の社会福祉協議会における評価の実態
―地域福祉活動計画の分析と事例から―
小倉 諒也久津摩 和弘
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2025 年 25 巻 2 号 p. 35-48

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抄録

 日本最大規模の非営利組織である社会福祉協議会にとって、評価を実施し事業改善やファンドレイジング等に繋げることは重要だが、その実態は必ずしも明らかではない。

 本稿では、社会福祉協議会の評価には「意思決定の場における住民参加の不在」「PDCAの未実施」「資金獲得に向けた戦略の不在」という課題があると仮定した上で、①三重県内の市町社会福祉協議会が作成する「地域福祉活動計画」を分析し、②伊賀市社会福祉協議会におけるアウトカム志向の計画作成と評価実践を報告する。

 ①ではロッシらのプログラム評価5階層を参考にしたキットを用い、評価実践の有無と程度を比較分析し、「PDCAの未実施」等の課題が存在することが示唆された。一方、②事例研究からは、「徹底した社会課題の把握と解決方法の明示」、「計画承認の場における住民参画の機会の確保」という特徴が示され、上述の課題を克服していたことが示唆された。この分析と事例は、社会福祉協議会やほかの非営利組織がアウトカム志向の評価を行う上で重要な知見を提供している。

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