治水の時代、利水の時代を経て水環境の時代になった (高橋1988) といわれており、健全な水循環のあり方を考えることが急務である。経済的な観点だけでなく、環境に配慮した行政のあり方が模索されている。また、地方自治体の行政においては、地方分権や行政改革の流れと共に、住民とのパートナーシップも求められている。
岐阜県では、水循環健全化大綱を作成するとともに、アンケートを実施して、住民の水循環に対する意識を確認しようとしている。水循環への施策を行政が一方的に決めるのでなく、住民の意向を十分に反映し、さらにその評価を受けていこうとする試みである。
この研究では、このアンケート結果を活用して、設問同士の関係や自由記述の分析を通じて、水循環への住民意識を掘り下げていく中で、問題解決の展開を組み立てながら、施策の評価について考察していく。