抄録
「援助疲れ」は、長年の政府開発援助 (ODA) による援助が効果をあげず、これ以上のODA供与政策に対して国民が否定的な態度をとったことをいう。ODA政策評価は、「援助疲れ」が意味した、国民が期待する「援助は効果があったのか」という問いに答えるものでなければならない。本稿では、この観点から現行のわが国ODAの政策評価は十分な回答をしているかを問題関心とした。
ODA政策評価、ここでは国別援助政策とする、の「効果」は、1事業や1施策がどのような効果をあげたかだけではなく、被援助国に対する「国全体としての援助効果」をさす。その場合、国民の時間選好についても考慮する必要がある。
オーストラリアのオセアニア島嶼諸国へのODAについて政策評価を行ったDL. Hughesの先行研究に政策評価の理論を当てはめつつ、批判的に検討を加え、我が国で行われている政策 (国別援助政策) 評価の枠組みと国民が期待する回答とのマッチングのための方策について研究した。