家族社会学研究
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高齢期の新しいつながりの模索—グローバル化・個人と家族
社会的孤立に着目した高齢期家族研究の課題
後藤 澄江
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2010 年 22 巻 1 号 p. 48-51

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抄録

21世紀に入ってからの10年間を振り返ってみると,高齢期家族をめぐる問題は複雑な様相をみせ,主体的・選択的に社会関係を結ぶ「個としての高齢者」という枠組のみでは把握できない実態が生じている。シンポジウムでの3報告を踏まえ,近年の大きな関心事である社会的孤立に着目しながら,高齢期家族研究の課題を三つ指摘した。第1は,家庭の内にも外にも居場所やつながりのない高齢者の社会的孤立の背景分析を深めるとともに,その解消に向けての方策を提示することである。第2は,社会的に孤立した高齢者にとって,地域コミュニティを基盤とした介護系NPO法人による活動が,新たな居場所やつながりとなりうるかどうかの可能性と限界の検討である。さいごに,「あの世の先祖とこの世の自分とは目に見えない絆で結ばれている」という日本人の宗教観および死生観の衰退が,家族・親族とのつながり感情の劣化にどのような影響をもたらしてきたかの分析である。

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© 2010 日本家族社会学会
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