家族社会学研究
Online ISSN : 1883-9290
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特集 高齢社会における生/死と家族
高齢社会における生/死と家族:特集への招待
山根 真理佐々木 尚之
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キーワード: 高齢社会, 生/死, 個人化
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2020 年 32 巻 1 号 p. 47-50

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抄録

「国際化の加速」を課題とする第9期理事会最終年企画として,人生の後半に焦点をあてた国際シンポジウムを開催した.20世紀後半に世界の多くの地域で大衆長寿社会が実現し,親子関係,医療,介護,相続,継承,葬送,墓などの事柄において,先行世代とは異なる新たな経験が生じているとの認識のもと,国際比較視点をもって「高齢社会における生/死と家族」について考えることをねらいとした.朴報告は現代韓国の家族ケアに焦点をあて,そこにおける葛藤と,ケアをめぐる人間関係の可能性について論じた.浅川報告は欧米との比較視点で,死における自己決定の重要性を論じた.安藤報告は日本における葬送・墓制の変容と現状を,家族変動とのかかわりで論じた.高齢期の生/死をめぐる事象について,「個人化」と家族の意思や家族の相互関係とのかかわりをどう理解するか,が課題である.

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© 2020 日本家族社会学会
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