家族社会学研究
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パーソナル・ネットワークの構造がサポートとストレーンに及ぼす効果
育児期女性の場合
前田 尚子
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2004 年 16 巻 1 号 p. 21-31

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抄録

本稿の目的は, 育児期女性のパーソナル・ネットワークの密度と構成がネットワークからのサポートとストレーンに及ぼす効果を分析することである。2003年に行われた岐阜市の母親373名の調査データを分析した結果は以下のとおり。 (1) ネットワークの密度が高いほど, サポートの利用可能性は高い。 (2) ネットワークが主に子どもを通じて知り合ったものによって構成されている場合, 育児に関するサポートの利用可能性は高いが, 母親自身に対するサポートの利用可能性は低い。 (3) ネットワークの構成はストレーンに影響を及ぼしており, ネットワークが主に子どもを通じて知り合ったものによって構成されている場合にはストレーンは高くなる。以上の知見は, 母親たちによる育児ネットワークづくりを支援する政策はサポートを増加させるには効果的であるが, それのみでは十分ではないことを示唆している。育児期女性にとっては, 母親役割から離れた対人関係を維持することも重要である。

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