家族社会学研究
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メキシコ市「大衆地区」における近住拡大家族
増山 久美
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2004 年 16 巻 1 号 p. 71-82

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抄録

本稿の目的は, メキシコ市「大衆地区」において人々がどのような家族形態をとり, 彼らの物質的情緒的つながりはいかなるものか, 女性を中心としたつながりの側面から家族の紐帯を論じることにある。
ラテンアメリカでは, 伝統的に「ファミリア」という大家族概念がある。近年, 都市化, グローバル化の流れのなかで, ラテンアメリカ社会は大きく変化しており, 家族も様変わりしているが, メキシコ市大衆地区ではどうであろう。孤立的な核家族が増え, 家族や親族の結びつきは弱まっているのだろうか。
調査結果, 次のことが明らかになった。アホンホリ通りに居住する家族形態は核家族, 拡大家族, 母中心的家族, 複合家族, 独居とさまざまであるが, それらの生活様態は複数の家族がネットワークで結びつく近住拡大家族であり, 住人自身がファミリアとして認識している。経済の低迷が続く状況下において, 近住拡大家族の機能は重要性を帯び, そこにおける女性の相互扶助が家族生活を支えている。

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